概要

暦の再認識

正確な時刻や暦は日常生活において必要である。高精度なものほどいいという価値がある。 一方で、場所や季節による環境変化の違いは無視され、均質化している。 人類が発展させてきた「時間を精密に測定する技術」の影にある、自然環境の一年の流れに注目し、 グラフィカルに表現した。

太陰暦/ 不定時法/ グレゴリオ暦/ 世界標準時UTC/ 土地固有の時間の認識枠組み/共通の時間の認識枠組み

  • 太陰暦は月の満ち欠けによって年を数える方法。季節のずれを調整した「太陰太陽暦」を1872年まで日本で使われていた。

  • 不定時法。昼と夜をそれぞれ6等分し、一単位を「一刻」とした。昼と夜で一刻の長さが異なり、季節によっても変化する。

題材

ツバキの一年の変遷

1年:ツバキの花芽から種子

アサガオの一日の変遷

1日:アサガオの開花から閉花

植物の時間で
時の流れ(一年 /一日)を表す

1年:ツバキの開花から閉花
1日:アサガオの開花から閉花
∵開花には日照(夜の長さ)や気温が関係しているので、環境変化を表す指標として見れる

目的

がいじつリズム※の多様性を意識させる

一つずつの植物のサイクルを意識させる作品を作る。それを重ねることで、一年の流れを見出す。 ※サーカディアン・リズムとも呼ばれる。約25時間周期で変動する生理現象。体内時計ともいう。

ウメ、フジ、フヨウの一年のサイクルを並べた図

ウメ、フジ、フヨウの一年のサイクルを並べた図

手段

  • 気象庁生物季節観測の種類

    1-1.気象庁生物季節観測の観測対象

  • 1-2.NHK趣味の園芸 よくわかる栽培12か月シリーズ

  • 1-3.十亀好雄. ふしぎな花時計 : 身近な花で時間を知ろう. 青木書店, 1996.

  • 花芽形成から枯れて種子になるイラスト

    2-1.花芽形成から枯れて種子になるイラスト

  • 花のアイコン

    2-2.花のアイコン

  • UVプリントでの製作

    UVプリントでの製作

  1. 植物の経時的に変化する情報を集める
    • 各花の開花日の情報
    • 花の育成本を参照する
    • 開花を観察した本
  2. 集めたデータを図として描く
    • 各花の花芽形成から枯れて種子になるまでのイラスト
    • 花のアイコン作成
    • 花が開くまでの過程のイラスト
  3. 複数の植物を照らし合わせ、見せ方を考える
    • 重ねて表示
    • 回転して表示
    • 並べて表示
  4. 多様な情報媒体を使い、グラフィカルに表現
    • 動画、web
    • FABを利用したプロダクト製作